2021.8.25

01.マンハッタン(1974年)/リョーユーパン 唐津工場

はじめまして。SML副編集長の原田です。普段は大阪で暮らしていますが、佐賀県には、行ったり来たりとデザインのお仕事でいつもお邪魔させていただいています。このコラムでは、その行ったり来たりでみつけた、佐賀のうまか!すごか! な食べものたちをこっそり紹介しようと思います。

記念すべき第一回目は、『マンハッタン(リョーユーパン 唐津工場)』です。僕の本業がデザイナーということもあり、商品のパッケージにはいつも目を光らせています。どこかの町へ出張に行くと、必ずスーパーに立ち寄り、パンやお菓子の売り場を訪れます。面白いパッケージのものを見つけると裏の製造会社を確認し、ご当地モノであれば「ムフフ」とレジに並びます。佐賀のスーパーで、『マンハッタン』と出会ったとき「あぁ変わってなくてありがとう!」と心の中で叫びました。九州で暮らすみなさんには、小さなころから親しみのあるパンだと思いますが、菓子パン界で、47年のロングセラー選手とは滅多に出会えません。1974年、当時は誰もが憧れるニューヨークのマンハッタンです。パッケージには、マンハッタンの代名詞でもあるクライスラービルらしきタワーが真ん中に描かれています。そして、今は無きワールドトレードセンターの姿も。長年、変わらないパッケージだからこそ、当時のマンハッタンの風景がここには残されています。3色の印刷を駆使し、コントラストと奥行きが表現され、窓から望むドーナツを眺めていると1974年のアメリカにタイムスリップするような感覚も味わえます。都市の名のつく食べ物は日本全国にありますが、発売当時の日本は、空前のドーナツブームで、開発者の方が自分の大きな夢を『マンハッタン』に重ね合わせていたんだろうなぁと妄想が膨らみます。お味は、ほどよい甘さのチョコレートとさっくりとした生地が絶妙な味わいで、個人的には大好きです。あぁ、また、『マンハッタン』が食べたくなってきた。

Profile

原田祐馬

UMA/design farm 代表

1979年大阪生まれ。京都精華大学芸術学部デザイン学科建築専攻卒業。UMA/design farm代表。どく社共同代表。名古屋芸術大学特別客員教授、グッドデザイン賞審査委員。大阪を拠点に文化や福祉、地域に関わるプロジェクトを中心に、グラフィック、空間、展覧会や企画開発などを通して、理念を可視化し新しい体験をつくりだすことを目指している。「ともに考え、ともにつくる」を大切に、対話と実験を繰り返すデザインを実践。佐賀県でも複数のプロジェクトに携わっている。本サイトのアートディレクターも担う。著書に『One Day Esquisse:考える「視点」がみつかるデザインの教室』。

原田さんの記事を読む

Topページへ